小樽商科大学 授業評価

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教官ニッシー
教科(講座)社会思想社I
投稿者たけのこ
投稿日2022年09月02日
評価やや仏
テスト
レポートあり
出席あり
コメント毎回論述の小テスト(400字くらい)があるけど、そもそも授業がオンデマンドの資料を読む感じだから、資料読みとそれでちょうど90分くらいになってる授業形式。古代ギリシャからルソー辺りまでの哲学・思想史を概観できる。後半からは全体的に社会契約っぽい議論が続くので、そういうのにあんま興味ない人には後半苦痛になるかも。でも、哲学者が社会・市民・政府・国家・世界を根源的にその起源から解き明かそうと(というか、「説き」明かす?)する時に、社会契約論は無視出来ないよね。たとえそれが、思想的フィクション、つまり世界の第一次的な近似に過ぎないとしてもだよ。正義を論じてるロールズもそうだけど、やっぱ世界の文明化(civilization)のprocessの鳥瞰図を描いて、社会的に構築される概念を分析するためには「社会契約」ってシナリオは重要だからさ。学んで損はしない、やや仏な講義。あぁ、単位とりたきゃ勿論レポート書く必要あるよ、最後に。でも講義内容全体を理解していれば確実に突破できるし、文字数の規定も他の講義に比べるとめちゃんこ楽なレベルだけどね。 それにね、ここが大事なんだけど、他の履修生の書いた記述も共有される機会があるし、知的な刺激は確実に得られるよ。まぁ哲学だっつってんのに、文芸的な文章で意見を書いてたり、ポストモダンチックな煙に巻いたような議論を好む人も散見されたりで、中々面白いんだよねこれが。あんまり皆、論理的に文章を書くってことに慣れてないんだなぁ、って改めて気付かされる。哲学の問題には「他者」についての考察だって考えられるよね。他者との知的コミュニケーションを間接的な形でさせてくれるニッシー(西永さん)は「他者」の重要性を強く識っているらしい。流石は政治と思想を探求する学者さんって所ですな。学生諸君は、彼の文章から学ぶべき余地が大いにあることを、講義を通して身に沁みるだろうー
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