教官 | 吉原直毅 |
教科(講座) | 経済学 |
投稿者 | jj |
投稿日 | 2004年10月12日 |
評価 | |
テスト | |
レポート | |
出席 | |
コメント | 一橋大学経済研究所助教授の吉原直毅というマル経理論のひとが,経済セミナー(経
セミ)の10月号に「「福祉国家」政策の規範的経済理論」というのを書いてる。JET
などのジャーナルに論文を掲載しているひとで,それなりに優秀なのは分かる。だ
けど経済セミナーの記事を見るかぎり,現代経済学を攻撃するためなら手段を選ば
ないというか,フェアではない。フェアでなくないなら,経済学を分かっていない
んだろう。
たとえば,「選好」というのは財とサービスの空間の上でしか定義されていなくて
人間関係などからくる効用は無視されるとか吉原は言う。単純化の仮定をあたかも
「新古典派経済学」の本質のように決めつけている。「男女の争い」というゲーム
を考えれば,ミクロ経済学で利得とか効用と呼ぶものは,バレエ鑑賞を消費するか,
サッカー観覧を消費するかといった財だけでなく,誰といっしょに行くのかという
人間関係に依存させることができるのはすぐ分かることなのだが。。。。
たとえば,「社会的余剰」の概念を曲解して,コスト削減で生産者余剰が大きくなっ
たとき生じた失業者は社会的余剰分析で無視されるとか。もと労働者が失業者にな
ることによって消費ができなくなれば,需要曲線がシフトして消費者余剰が減ると
いう単純な話なのに,吉原の記事は本筋とは関係ない失業手当の話に持って行く。
マル経のひとだから本当に分かっていないのかもしれないが,このひとじつは厚生
経済学が専門。分かっていないのではなくて,読者をミスリードするために分から
ない振りをしているのだろう。現代経済学を矮小化するためには手段を選ばないと
いうわけ。そうするとこの吉原という奴は相当悪玉ということになる。 |
|
|
|